Windows OSの仕組み理解の入門書としておすすめの本書を紹介します。
■本書の概要
本書は、
- 第1部 OSの仕組みを学ぶ
- 第2部 APIから知るWindowsの仕組み
の2部構成からなっています。
第1部ではまずCPUとOSがどのように連携するか、から始まりシステムコール、プロセス/スレッド管理、メモリ管理、ファイル管理といったWindows OSの基本機能に関する説明がコンパクトにまとめられています。そしてWindows OSの仕組みを理解する上で欠かせない特徴であるメッセージループに関する説明という構成になっています。ページ数としては30ページ弱ですが、Windows OSの概要がコンパクトにまとめられており、この内容を理解することでWindowsの基本はおさえている、といっても過言ではないと思います。
第2部は第1部の詳細をタイトルの通りWindows APIの観点から掘り下げた形で記述されています。詳しくはAmazonの目次などを参考にしていただければと思いますが、DLLの動作原理からデバイスドライバまでWindowsの仕組みについて幅広く記載されています。
■どのような人にオススメか
私の場合ですが、数年前Windowsを扱う部署に異動になりWindowsの勉強をする必要がありました。先述の通りWindows OSに関する書籍は
のような定番があります。
上記のような定番書の内容を理解することがベストなのですが、正直上記レベルの内容を仕事の合間に読んで理解することはかなり難しいです。というか私自身も異動した当時、いきなり上記の定番本で勉強しようとして大苦戦しました。
当時購入したので版数は古いです |
本書は発売が2004年ということで古さを心配する方もいるかもしれませんが、Windows OSの基本部分はそんなに変わってないので大丈夫です。まずは本書で基本をおさえてから、上記のインサイドWINDOWSやAdvanced Windows等にチャレンジしていけばよいと思います。
あとタイトルにAPIとあるのでプログラマー向きと思われるかもしれませんが、本書ではAPIをあくまでWindows OSが提供する機能を理解するための切り口として扱っています。なので、あくまでWindowsベースでのシステム設計やトラブル対応を行うためにWindows OSの概念や仕組みを知りたいシステムエンジニア向けの書籍である点は注意が必要です。
ただ、この本は最早新品で購入するのは困難なので、Amazon等の中古で購入することになりますが、基本的に品薄なため、異常に高値がついているケースがあります。
そのような場合は、同著者の本書の続編とも言える